200301東海愛知新聞 - コピー
2020年3月1日 東海愛知新聞特別連載


【壁】なく夢追える社会を


「バスガイドになりたいです。でも聞こえに不安があるので就職するかを迷っています。」

10年前に補聴器を使っている女の子が、高校3年生の時に言った言葉です。

人と話すのが好きだから本当は、会話が多くある仕事に就きたい。でも補聴器をつけていてもすべて聞き取れるわけではない、騒がしい所や会話が重なる時はどうしても聞き返しが多くなってしまう。

接客の仕事がうまくできるのだろうか。就職した会社に迷惑かけてしまうのではないか。

悩んで末に、地元の工場に就職を決めたと聞きました。
工場への就職が間違えだとは決して思いません。

その女の子が自分のなりた職業に就くことに、難聴が壁となってしまったことが残念に思えます。

補聴器を装用しても完璧ではなく、求める聞こえの改善のお手伝いもできなかったこともやりきれない思いが生まれました。

様々な選択があるはず


2017年にはろう者初のバス運転手誕生のニュースや近年では、難聴者の医師、弁護士も生まれ話題になっております。

皆さん補聴器やFM、ロジャーシステム(聞こえの補助器)を活用し聞こえを補いながら仕事をされております。

更に会社や関わる方が音声認識アプリ、筆談、身振り手振り、できる方は手話などで対応し双方で働きやすい、活躍できる環境を作っています。

合理的配慮※の制定もあり、近年では、ろう者や難聴者が働きやすい社会になりつつありますが、まだ一部の大企業や志や理解ある中小企業に限った話である印象です。

※障害者から何らかの助けを求める意思の表明があった場合、過度な負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜のこと。

それぞれが持つ可能性を信じて、夢に向かって突き進んでほしい。


代表を務めるあいち補聴器センターでは、補聴器販売以外にもネット通販事業も行っております。補聴器販売の接客はもちろんのこと、ネット通販では、パソコンを使った画像編集などクリエイティブな仕事もあります。

2年前から地元のろう学校に補聴器販売、ネット通販事業の仕事の求人募集を行っております。

会社では、手話や文字起こしアプリでの対応を考えています。まだ会社に来てくれた生徒さんはいないですが、今後も採用活動を続けていきます。

補聴器屋さんでも働ける。職業選択の中に、接客やパソコン業務もある。

そんな環境があることを発信し続けること、あいち補聴器センターだけではなく全国の補聴器屋さんや補聴器メーカー、更には服屋さん、デザイナー事務所、飲食店など多種多様な会社が、ろう者や難聴者の採用を更に考えるきっかけになれば嬉しく思っています。

それぞれが持つ可能性を信じて、夢に向かって突き進んでほしい。

ろう者や難聴者が、聞こえの壁を感じずに自身の夢を追える職業選択ができる社会になることを強く望み、そのお手伝いや活躍できる場所が全国に増えることを願い、変わる!きっかけになればと思い今回も原稿を書きました。

すべては『聞こえ』のために!!